
あとはリフォームだ。ただリフォーム市場も新築と同様大幅な受注減に見舞われている。しかも断熱改修などは、単体では非常に需要の少ない分野だ。それでも国はリフォームでのエコポイント利用に大いに期待していることがうかがわれる。というのもリフォームでのエコポイント促進策として、「即時交換制度」が検討されているからだ。これは取得したエコポイントを他の住設商品や工事代金に充当できるというもの。家電でも一部行われている制度だが、家電のポイントは少額でありほとんどが商品券やスイカにポイントが返還されている。エコリフォームでは、バリアフリーと併せれば最大30万ポイントが付く。30万もあれば、トイレ改装や床やクロスの張替ができるのだ。
そうなると、リフォーム業界も非常に営業強化策として利用しやすい制度となる。エコポイントを餌に余りニーズのない単独の断熱改修を営業するより、通常のリフォーム営業の中で水回りや居室改装と併せてPRできる。業界の景気刺激策としてスタートする制度であるから、「即時交換制度」を是非進めてほしいと思う。国ではこの実現のため保険制度の利用なども検討しているようだが、なるべく簡単な仕組みにしてほしい。リフォームは新築と違って時間が勝負だから、ポイントを工事代金等として業者が受け取るまで何カ月もかかっていたら大変だ。
住宅版エコポイントの国の予算1000億円は、新築とリフォームでの配分わけはないとしている。つまり新築のみでエコポイントを使いきればその時点で終了ということになる。現実には前述したように33万戸のエコ住宅の新築は不可能だから、リフォームでエコポイントを相当出さないといけない。したがって、今年のリフォーム市場には、建材・設備メーカーも大いに期待を寄せているし、積極的な展開が見られそうだ。
一方、新築住宅市場はどうかというと、エコポイントよりもローン金利が大幅に優遇されることのほうが大きいと思われる。今回の経済対策でフラット35Sの現行の10年間0.3%優遇金利をさらに1%引き下げて優遇することになった。これにより毎月の返済額が1万円程度違ってくる。新築市場ではこちらのほうが営業的に有利だろう。何しろ住宅資金の贈与も非課税枠が1500万円に拡大するし、新築でのエコポイントは、まあ本当にオマケという感じになってしまう。やっぱり、エコポイントを活用するならリフォームだ。
なお、国土交通省主催による「エコポイント講習会」が全国で開催される。その内容と申し込み書をご紹介するので、ぜひご活用ください。