
今後の中長期的な住宅施策の柱として期待される中古住宅・リフォームトータルプランがまとまった。3月末までに閣議決定され、プランに沿った様々な制度整備、支援策などの施策が動き出す。
このトータルプランでは、目標として中古住宅流通・リフォーム市場を8年後の2020年までに倍増(20兆円)することを掲げた。市場創造に向けた強い政策意思を示したかったようだが、裏を返せば、これまで国の住宅施策が新築一辺倒であったと言うことであり、いよいよ国も新築から中古住宅とリフォームに本気で乗り換えようという狙いだ。20兆円というのは昨今の年間住宅投資規模であり、その殆どが新築住宅であったわけであるから、荒っぽく言えば8年後に新築住宅が全く建たなくなっても、業界の人・モノ・金が全て中古住宅とリフォーム市場にシフトしていれば、産業全体としては丸く収まるという案配だ。
それはそれとして、プラン策定を行ったトータルプラン検討会では、「安心できる市場環境」と「魅力ある市場づくり」をテーマとしてきたが、今回のプランでは、?中古住宅流通市場の環境整備 ?リフォーム市場の環境整備 ?既存住宅ストックの質の向上の促進 ?中古住宅流通・リフォームの担い手の強化 ?住環境・街並みの整備の5つにまとめられた。中身を見てみると、2.3.では事業者や工事費用の情報提供、既存住宅の性能向上支援、リフォームによる民間賃貸住宅活用促進支援、リフォーム瑕疵保険などで、一昨年辺りから制度・補助金としてすでに始められているものも多い。
その意味で、今回新たな市場創造を考える上で大いに注目されるのは、?の流通市場の環境整備と?担い手の強化である。これまで新築中心では殆ど手がけてこなかった、あるいは関心のなかった分野である。町の不動産屋や営繕・リフォーム屋さん任せだったところだ。