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木造住宅の市場動向

木造住宅の市場はいま、どうなっているか?
専門家にうかがってみました。

チラシの告知で太陽光発電を
ネット通販する会社。
住宅ジャーナリスト・福原正則
DMM.comという会社がある。聞くところによるとネット通販会社で、はやりのAKB48のネットの動画配信をやっていて年商は400億。急成長したネット販売の会社だが、ここが太陽光発電の販売を開始した。今時ネットを使って販売するというのは取り立てて珍しいことではない。ネット世界では、楽天だって太陽光発電を売っている。ところがこのDMM.comは、バーチャルな世界だけではなくリアルでの販売を開始しているのである。筆者は東京の北区にすんでいるが、我が家にDMMの折込みチラシが入った。
チラシを見ると8万円の費用で太陽光発電が取り付けられると、非常に魅力的なことが書いてある。カラクリは、7月から始まる発電の全量買い取りである。売電料金を2対8に分けて8割をDMMがもらい太陽光発電設備、設置費用の支払いに充ててもらうというもので、11年目から100%購入者が使えるという仕組みである。こうした販売手法は、既にアパート業界などでは行われており、たいして珍しいものではない。
では、何が珍しいかというと、ネット販売会社がリアルな世界に進出したという点である。楽天だってこのDMMだってネットの中だけで販売が完結する。いわゆる受発注に場所と仕組みを提供するだけだ。実際の流通は多くはそこを利用するメーカー、流通の人々が担っている。音楽ソフトや書籍などは配送センターがあるらしいが、電子データであればそのまま販売できる。たとえ書籍や家電製品、はては自動車だって、単体で完結するものはバーチャルな世界で販売、購入が完結する。問題は完結しないものの販売だ。住宅関連のネット販売はその最たるものだ。住宅関連資材では、今様々なものがネットで直接消費者に販売されている。施主支給品の多くがそれである。1、2年前までは、多くの業者が施工を断ってきたものだ。ここまで多くなると対応せざるを得ないくらい多くなっている。住宅業界はそんな状況下にある訳だが、それでも従来はネット販売側が施工まで入ってくる例は少なかった。
DMM.comの珍しさは、施工までリアルな世界に入ってきただけでなく、最も得意とするネット販売というバーチャルな世界から飛び出して、リアルな世界での営業を開始したという点だ。一般の販売会社やリフォーム会社などと同じように地域にチラシを撒いて売ろうというのである。テスト販売や代理店の販売だとしても、そうしなければならない何かが住宅ビジネスにはあるということであると思う。
住宅ビジネスの世界では、新築でもリフォームでもネットによる集客、販売が盛んである。というよりも今時の消費者は、まずホームページで会社や商品をしっかり確認する。メールで様々な質問を浴びせ、見積りを取って比較検討してからやっと行動を起こす。ホームページだから、売る方もホームページをしっかり作り込んでいない会社は、箸にも棒にもかからなくなっている。最近はホームページだけでなくツイッターやフェイスブックの活用も必要だ。ネットは双方に必要不可欠なものとなっている。しかし、住宅が絶対に他のネットビジネスと異なるところは、リアルな出口が必要だということである。アマゾンなどのようにネットだけでは完結しないのだ。具体的にいえば出口というのは地域の拠点、営業所ということである。これがないと住宅ビジネスはなかなかうまくいかないと言われている。
ところが、このDMM.comはその逆をいく戦略だ。入り口がリアルで、出口がバーチャルなのだ。チラシのどこをみても営業所の住所が書いていない。問い合わせはネット、電話のみである。あとは、8万円で太陽光発電装置が取り付けられるという魅力だけだ。営業マンのあの手この手のセールストークがあるわけではない。
住宅関連ビジネスの営業は、プロの営業マンしか出来ないと言われている。何故かと言えば、ものを売るのではなくまだ形のないものを売るから、その売る人の人間性が受け入れられるかどうかが大きく作用するからだ。情報収集はネットであっても、実際に売るのはリアルな人であると言うのが、今までも住宅業界のネットの使い方であった。ところがDMM.comでは、これをコストという立場から逆の発想を行った。出口の営業所を設けるより、チラシでリアルな地域営業を展開する。後は営業拠点の代わりにネットを利用する。今回どれくらいチラシを撒いたのかは知らないが、チラシ代と営業所の開設費用はどちらがかかるのか。住宅業界ではチラシは過去の手法となりつつある。ネットの世界は常にバーチャルとリアルを行ったり来たりしている。ネットビジネスの進化形かも知れない。


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