
不動産業者は全国に37万5000(平成21年)有り、そのうち5人未満の事業所が86%と圧倒的多数で、10人以上はわずか3.6%。典型的な小零細規模の業界である。少子高齢化などによる市場の大きな変化で、これまでのような仲介中心のビジネスは先行きが見えなくなった。今回、トータルプランで、中古住宅流通(中古住宅の売買)の活性化が大きく掲げられたことで、大きなビジネスチャンス到来と捉えているのだ。各地で勉強会も盛んに行われている。
今年4月に不動産流通近代化センターが発表した「中小不動産業の今後の事業展開のあり方」の報告書でも、不動産業界は今後業界縮小が予想される中で、安心安全な住まいへの対応、相続相談など多様なニーズへの対応が求められるとして、顧客密着サービスと適格な情報提供が求められていると指摘。税理士、司法書士、不動産鑑定士、金融機関、リフォーム業者、インスペクション(建物検査)など様々な専門家とネットワークを構築して不動産取引全体をマネジメントする役割が必要だと述べ、新たな業界の姿を描いている。これはトータルプランですすめている宅地建物取引業者のコンサルティング機能の強化、リフォーム提案と同じであり、不動産業界がトータルプランに向かって積極的に動き出した理由が頷けるわけだ。